再生医療の実施について
平成26年11月に、「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」が施行されました。
この法律は、再生医療を提供しようとする医療機関などを全て認可制にすることにより、再生医療を受ける方の安全性を確保するものになります。
再生医療等安全性確保法では、施術のリスクの高さを第1種〜第3種の3段階に分けて設定しています。
それぞれの内容は以下の通りです。
当院の治療の妥当性や安全性などを厳しく審査され、適切と認められ、再生医療第二種・三種の認可を取得しました。
第一種
これまでヒトに実施されたことが極めて少ないため、既知・未知を含めてリスクが高く想定されるもの。(ES細胞・iPS細胞や、他人の幹細胞を利用するもの)
第二種
すでにヒトに実施されたことがあり、中程度のリスクを見込まれるもの(患者自身の体性幹細胞などを利用するもの)
第三種
もともと細胞が持っている機能を利用し、大きな操作を加えないため、大きなリスクは想定されないもの(加工を施した体性細胞を利用したものなど)
再生医療で用いられる細胞「幹細胞」について
「幹細胞」は絶えず入れ替わる組織を保つために、分化能(さまざまな細胞に変化する能力)と自己複製能(自分とまったく同じ能力をもった細胞に分裂する能力)を持っています。
また、幹細胞はどのような細胞でも作り出すことができる「多能性幹細胞」と、決まった組織や臓器で消えていく細胞の代わりをつくり続ける「組織幹細胞」があります。
「組織幹細胞」のうち、骨髄の中に存在する間葉系幹細胞(体性幹細胞の一つ)は筋肉や軟骨、脂肪、神経などに分化する、いわゆる「多分化能」を持つことが明らかになってきました。
ES細胞やiPS細胞といった多能性幹細胞に比べると、限定された種類にのみ分化するものになりますが、筋肉、軟骨、肌といったさまざまな種類に変身できる幹細胞でもあります。
2003年以降では、山口大学で肝臓治療の研究に使用され、2007年には京都大学で骨に分化させる研究が始まりました。2013年7月の時点では国内だけでも80件以上の組織幹細胞を用いた臨床研究が行われたという報告があります。
また海外でも、関節内注射により変形性関節症の治療や、点滴治療により脳梗塞・多発性硬化症という難病の治療が広く行われています。
さらに近年では、骨髄に存在する間葉系幹細胞と似た性質をもつ幹細胞が皮下脂肪内にも多く存在するということが判明しました。これは脂肪由来間葉系幹細胞といわれ組織幹細胞の中でも採取が簡単かつ組織量も豊富に存在することから治療細胞として注目されています。
再生医療のメリット・デメリット
メリット:
・ご自身の細胞を使って治療を進めるため、アレルギーや拒絶反応のリスクがなく、安全な治療
・難しい病気の根本治療にも期待ができる
・各種疾患や美容にも効果的である
デメリット
・高額な医療である